› 自然と歴史の中を歩く! › 2017年04月
2017年04月30日
よく似たミヤマキケマンとフウロケマン
よく似た黄色い花を咲かせるケマンソウ。ミヤマキケマンとフウロケマンは、どちらもケシ科キケマン属フウロケマンです。
基本種はフウロケマンの方でミヤマキケマンは西日本を中心に見られるフウロケマンの変種。 どちらかと言えばミヤマキケマンの方がフウロケマンよりも大型で花の数も多く、花茎の位置が花の真ん中にあるのがフウロケマンで、やや後方にあって距と呼ばれる部分が短く感じるのがミヤマキケマンです。
花が終わり、豆に似た蒴果が付くと、その形によって見分けが付きやすくなるのですが、今はまだよく似た黄色い花のケマンソウ。それにしても、不思議な形をした花ですね。
基本種はフウロケマンの方でミヤマキケマンは西日本を中心に見られるフウロケマンの変種。 どちらかと言えばミヤマキケマンの方がフウロケマンよりも大型で花の数も多く、花茎の位置が花の真ん中にあるのがフウロケマンで、やや後方にあって距と呼ばれる部分が短く感じるのがミヤマキケマンです。
花が終わり、豆に似た蒴果が付くと、その形によって見分けが付きやすくなるのですが、今はまだよく似た黄色い花のケマンソウ。それにしても、不思議な形をした花ですね。
2017年04月30日
今が見頃の秋葉山の桜
AKG(秋葉観光ガイド)のリーダー・錦ちゃから、昨日(4月29日)撮影した秋葉神社上社の桜の写真が届きました。
桜の種類は染井吉野ではなく、山桜、大島桜や枝垂桜。今が見頃になったのは、遅咲きの品種であることと、866メートルの標高による気温の低さが要因ですが、今年の季節の進み方が大きく影響しているのは間違いありません。
錦ちゃが歩いて登ったのは午前中。私が車で立ち寄ったのは午後2時半過ぎ。次は5月5日に一緒に登る予定です。
桜の種類は染井吉野ではなく、山桜、大島桜や枝垂桜。今が見頃になったのは、遅咲きの品種であることと、866メートルの標高による気温の低さが要因ですが、今年の季節の進み方が大きく影響しているのは間違いありません。
錦ちゃが歩いて登ったのは午前中。私が車で立ち寄ったのは午後2時半過ぎ。次は5月5日に一緒に登る予定です。
2017年04月30日
GW初日は北遠へ①―瀬尻の段々茶園
「毎日が日曜日」の私ですが、現役の人たちにとってはGWの初日に当たる「昭和の日」、4月29日に北遠へと車を走らせました。
最初に立ち寄ったのは、「静岡県棚田等十選」や「新・浜松の自然100選」に指定されている「瀬尻の段々茶園」。石を積んで造られた急傾斜の茶園では、ちょうどこの日が茶摘みの初日とのこと。天竜川右岸にある茶園は東に面した傾斜地ですから日当たりが良く、北遠の中では芽の伸びが早いようです。
1段1段が狭い段々畑に植えられた茶畝ですから、斜面を背にした側の茶摘みは心配いらないかも知れませんが、天竜川に背を向けた側を摘むのはかなりの勇気が必要。以前から気になっていた危険を伴う茶摘みについて質問したところ、「こっち側は家の者がやる。手伝いは安全な側だけお願いしている」との返事でした。
春の訪れが遅い北遠にも、いよいよ新茶の季節がやって来ました。
最初に立ち寄ったのは、「静岡県棚田等十選」や「新・浜松の自然100選」に指定されている「瀬尻の段々茶園」。石を積んで造られた急傾斜の茶園では、ちょうどこの日が茶摘みの初日とのこと。天竜川右岸にある茶園は東に面した傾斜地ですから日当たりが良く、北遠の中では芽の伸びが早いようです。
1段1段が狭い段々畑に植えられた茶畝ですから、斜面を背にした側の茶摘みは心配いらないかも知れませんが、天竜川に背を向けた側を摘むのはかなりの勇気が必要。以前から気になっていた危険を伴う茶摘みについて質問したところ、「こっち側は家の者がやる。手伝いは安全な側だけお願いしている」との返事でした。
春の訪れが遅い北遠にも、いよいよ新茶の季節がやって来ました。
2017年04月30日
春から初夏への北遠花巡り⑦―ミカワチャルメルソウ
ユキノシタ科チャルメルソウ属のミカワチャルメルソウ(三河哨吶草)です。奇妙な名前の由来は、夜泣きソバ屋さんで使われるラッパ「チャルメラ」に似ているところからとのこと。
花をアップで見ると、まるでクモの子かイソギンチャクの触手みたいな形。チャルメルソウの仲間の中でもミカワチャルメルソウの分布は長野・愛知・岐阜県とされていますが、この通り静岡県にも自生しています。
チャルメルソウの仲間の中には絶滅危惧種に指定されているものもあるようですが、このミカワチャルメルソウはそうでもなさそうです。
花をアップで見ると、まるでクモの子かイソギンチャクの触手みたいな形。チャルメルソウの仲間の中でもミカワチャルメルソウの分布は長野・愛知・岐阜県とされていますが、この通り静岡県にも自生しています。
チャルメルソウの仲間の中には絶滅危惧種に指定されているものもあるようですが、このミカワチャルメルソウはそうでもなさそうです。
2017年04月30日
「水窪民俗資料館」で見る養蚕の歴史⑨―毛羽取機
蚕が繭を作る時、先ず最初に足場となる糸を吐きます。この吐き糸量は全吐き糸量の約1%ですが、繭の外側に薄い真綿のように付着します。簇(まぶし)から外した繭には毛羽が残っていますので、繭同士が絡まってしまいます。
ところが、これは生糸にはなりませんので、収繭後取り除く必要があります。これを行う機具が毛羽取機。
「水窪民俗資料館」で撮った写真は、初期の手回し式の「毛羽取機」です。木箱の上面に、竹の棒を回転するようにした簡単な構造で「繭ころがし」とも呼ばれました。
以前「龍山郷土文化保存伝習施設」で撮った写真は大型の機械。赤色のハンドルを両手で回すと、表面がザラザラしたゴムのローラーに毛羽が引っかかったようです。
毛羽取りの前と後で不良繭を除く作業は人力。繭の色や形など、人間の目と手で品質検査がされたそうです。
ところが、これは生糸にはなりませんので、収繭後取り除く必要があります。これを行う機具が毛羽取機。
「水窪民俗資料館」で撮った写真は、初期の手回し式の「毛羽取機」です。木箱の上面に、竹の棒を回転するようにした簡単な構造で「繭ころがし」とも呼ばれました。
以前「龍山郷土文化保存伝習施設」で撮った写真は大型の機械。赤色のハンドルを両手で回すと、表面がザラザラしたゴムのローラーに毛羽が引っかかったようです。
毛羽取りの前と後で不良繭を除く作業は人力。繭の色や形など、人間の目と手で品質検査がされたそうです。
2017年04月30日
春から初夏への秋葉山⑦―感謝
秋葉寺から秋葉神社上社がある山頂までの間には、表参道を楽しめるポイントがいくつかあります。
秋葉寺を出てしばらく行くと、三の鳥居跡があります。すぐそばには、樹齢を重ねた山桜があり、その先端にはチラホラと花が咲いているのが見えました。
さらに行くと、参道の真ん中にデンと聳える秋葉杉。太い幹の途中から出た枝が、曲がりながら上に伸びているため、私たちは「天狗杉」と名付けたこの杉は、ガイドブック「秋葉山表参道を歩く」の表紙を飾っている他、日本山岳会のHP「親子で楽しむ山登り」の「登山おすすめコース 親子100名山」のカット写真としても使われていますので、きっと目にした人もいらっしゃるはず。
土留め丸太が階段状になった最後の急な坂を登り切ると、目の前に上社の入口であること示す随身門があります。この門が神社境内に今も残る、江戸時代に建てられた唯一の建築物。諏訪の宮大工、立川和四郎冨昌が腕を振るった天女や力神と呼ばれる棟を支える邪鬼の彫刻が見られます。
そして、登って来た参道を自らの人生と重ね合わせて振り返る場所「振り向き坂」。ここまで、ただただ歩いて来ましたが、それは自らの努力と周囲のサポートのおかげであることを忘れないようにしましょう!
それが、見返りを期待しない真の「感謝」です。
秋葉寺を出てしばらく行くと、三の鳥居跡があります。すぐそばには、樹齢を重ねた山桜があり、その先端にはチラホラと花が咲いているのが見えました。
さらに行くと、参道の真ん中にデンと聳える秋葉杉。太い幹の途中から出た枝が、曲がりながら上に伸びているため、私たちは「天狗杉」と名付けたこの杉は、ガイドブック「秋葉山表参道を歩く」の表紙を飾っている他、日本山岳会のHP「親子で楽しむ山登り」の「登山おすすめコース 親子100名山」のカット写真としても使われていますので、きっと目にした人もいらっしゃるはず。
土留め丸太が階段状になった最後の急な坂を登り切ると、目の前に上社の入口であること示す随身門があります。この門が神社境内に今も残る、江戸時代に建てられた唯一の建築物。諏訪の宮大工、立川和四郎冨昌が腕を振るった天女や力神と呼ばれる棟を支える邪鬼の彫刻が見られます。
そして、登って来た参道を自らの人生と重ね合わせて振り返る場所「振り向き坂」。ここまで、ただただ歩いて来ましたが、それは自らの努力と周囲のサポートのおかげであることを忘れないようにしましょう!
それが、見返りを期待しない真の「感謝」です。
2017年04月30日
山里の近代化と気田森林鉄道⑩―トラック、三輪自動車も活躍
かつて、春野や水窪の国有林から伐り出した木材―川沿いを縫うようにして走る森林鉄道で運び積み上げられたのは、気田営林署「篠原貯木場」。この広大な跡地には現在、三立木材のメガソーラー施設になっています。
近くのお年寄りによれば、「広いら。2.4ヘクタールあるからね」とのこと。3枚の写真はともにトラックやオート三輪が写っています。
先ず最初の1枚は、題名が「三輪トラックに生活物資を積込む」。「谷(場所)によっては軌道付近に三輪トラックを利用、飯場へ生活物資を搬入 車の名称はジャイアントと記憶 当時人気があった 篠原貯木場 昭和31年頃」との説明が付いています。
2枚目は、「伐採後の山地へ苗木を運ぶ」。「自動車道のある場所近くへは自動車で苗木他を運搬 当時営業者は殆どなく自家用で 篠原貯木場」。
そして3枚目は「トラックへの積込作業」。「浜松営林署の中野町貯木場へ運搬する材で、当時、気田・水窪・浜松の各営林署の材を協同販売を行った」。
「ヂャイアント号」とは、愛知機械工業で製造された三輪自動車。当時のメーカーでは「ダイハツ」が1位、「マツダ」が2位。あとは、「ニューエラ」「ウェルビー」「イワサキ」「HMC」「ツバサ」などと並んで「ヂャイアント」が人気を集めていましたが、昭和35年(1960)に製造が中止になりました。
近くのお年寄りによれば、「広いら。2.4ヘクタールあるからね」とのこと。3枚の写真はともにトラックやオート三輪が写っています。
先ず最初の1枚は、題名が「三輪トラックに生活物資を積込む」。「谷(場所)によっては軌道付近に三輪トラックを利用、飯場へ生活物資を搬入 車の名称はジャイアントと記憶 当時人気があった 篠原貯木場 昭和31年頃」との説明が付いています。
2枚目は、「伐採後の山地へ苗木を運ぶ」。「自動車道のある場所近くへは自動車で苗木他を運搬 当時営業者は殆どなく自家用で 篠原貯木場」。
そして3枚目は「トラックへの積込作業」。「浜松営林署の中野町貯木場へ運搬する材で、当時、気田・水窪・浜松の各営林署の材を協同販売を行った」。
「ヂャイアント号」とは、愛知機械工業で製造された三輪自動車。当時のメーカーでは「ダイハツ」が1位、「マツダ」が2位。あとは、「ニューエラ」「ウェルビー」「イワサキ」「HMC」「ツバサ」などと並んで「ヂャイアント」が人気を集めていましたが、昭和35年(1960)に製造が中止になりました。
さあ、懐かしいボンネット・トラックとオート三輪の姿をご覧ください!
2017年04月29日
国の林業成長モデル地域に浜松市 天竜材流通拡大へ
浜松市は28日、林野庁が2017年度から始めた林業成長産業化地域創出モデル事業の先進的モデル地域として全国16地域のうちの一つに指定されたと発表した。今後5年間、国から重点的な予算支援を受け、素材生産量の拡大や天竜材製品の生産、新規雇用拡大などを進める。
林業成長産業化地域は、林業関係者らの地元に利益を還元しながら、森林資源の循環利用に取り組む。浜松市は、国際機関FSC(森林管理協議会)認証の多様な製品の流通拡大によるクリーンウッド(合法伐採木材の利用促進)社会の実現を目指す。
地域の素材生産、製材・加工、木材流通の各事業体が一体となった原木の増産や安定供給▽需要に応じた付加価値の高い天竜材製品の開発・生産▽「地産地消」と「地産外商」による販路拡大―などに取り組む。
目標値として、21年度の素材生産量6万1500立方メートル(16年度、4万1千立方メートル)、製材品生産量1万4600立方メートル(同1万1千立方メートル)、製品販売量6300立方メートル(同4200立方メートル)などを掲げている。一連の工程で70人の新規雇用創出も目指す。
市林業振興課の担当者は「モデル地域指定を起爆剤に、関係業者の連携をより強めて天竜材の流通を拡大させたい」と話した。(「静岡新聞」より)
今日(4月29日)は、浜松市天竜区の旧5市町村をグルリと回って来ました。
杉やヒノキの人工林を背景に山桜が咲き、落葉樹が明るく芽吹く風景。いつまでも、北遠の自然を守って行かなければいけないと感じました。
林業成長産業化地域は、林業関係者らの地元に利益を還元しながら、森林資源の循環利用に取り組む。浜松市は、国際機関FSC(森林管理協議会)認証の多様な製品の流通拡大によるクリーンウッド(合法伐採木材の利用促進)社会の実現を目指す。
地域の素材生産、製材・加工、木材流通の各事業体が一体となった原木の増産や安定供給▽需要に応じた付加価値の高い天竜材製品の開発・生産▽「地産地消」と「地産外商」による販路拡大―などに取り組む。
目標値として、21年度の素材生産量6万1500立方メートル(16年度、4万1千立方メートル)、製材品生産量1万4600立方メートル(同1万1千立方メートル)、製品販売量6300立方メートル(同4200立方メートル)などを掲げている。一連の工程で70人の新規雇用創出も目指す。
市林業振興課の担当者は「モデル地域指定を起爆剤に、関係業者の連携をより強めて天竜材の流通を拡大させたい」と話した。(「静岡新聞」より)
今日(4月29日)は、浜松市天竜区の旧5市町村をグルリと回って来ました。
杉やヒノキの人工林を背景に山桜が咲き、落葉樹が明るく芽吹く風景。いつまでも、北遠の自然を守って行かなければいけないと感じました。
2017年04月29日
イヌナズナに似たイヌガラシの花
先日、道の駅「信州新野千石平」近くで見かけたイヌナズナの花と、今度は水窪で出会いました。並べて紹介したいと思っていたのですが、イヌガラシは花の時季が終わったのか、なかなか良い写真が撮れませんでした。
たまたま、実家近くの田んぼの脇でイヌガラシの花が咲いていましたのでカシャ!イヌナズナの花弁の先端にはくびれがありますが、イヌガラシは丸くなっています。スカシタゴボウというよく似た花を咲かせる植物もあるのですが、これはイヌガラシで良いと思います。
たまたま、実家近くの田んぼの脇でイヌガラシの花が咲いていましたのでカシャ!イヌナズナの花弁の先端にはくびれがありますが、イヌガラシは丸くなっています。スカシタゴボウというよく似た花を咲かせる植物もあるのですが、これはイヌガラシで良いと思います。
2017年04月29日
春から初夏への北遠花巡り⑥―センリゴマとサクラソウ
「絶滅危惧IA類(CR)」―世界中のここでしか見ることができない美しい花、ゴマノハグサ科ジオウ属のセンリゴマですが、4月22日にはまだ開花していませんでした。センリゴマの開花にも、季節の訪れの遅れが影響しているようです。
「CR」とは「Critically Endangered」。「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」の意味で、「絶滅危惧」どころか「絶滅寸前」です。
近くに咲いている花は、色鮮やかなサクラソウ。これだって、プリムラ・マラコイデスやプリムラ・オブコニカなどの西洋サクラソウとは違い、自生していた在来種を江戸時代に品種改良して生まれた古典園芸植物です。
「CR」とは「Critically Endangered」。「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」の意味で、「絶滅危惧」どころか「絶滅寸前」です。
近くに咲いている花は、色鮮やかなサクラソウ。これだって、プリムラ・マラコイデスやプリムラ・オブコニカなどの西洋サクラソウとは違い、自生していた在来種を江戸時代に品種改良して生まれた古典園芸植物です。