2017年04月22日
山里の近代化と気田森林鉄道②―「協三工業」製造のガソリンエンジン機関車

フロントガラスに「臨時」の貼り紙が見えますので、どうやら新車配備前の「試運転」の写真。営林署に勤め、この機関車を運転していたという人によれば、「4メートルに伐ったツガやケヤキを満載して山を下り、篠原の貯木場でトラックに積み変えて運ばれて行ったんだ。機関車のエンジンが、重い重いって唸りを上げてね。帰りは生活物資や人の載った客車を引くくらいだったから、ずい分軽く感じたもんだ」と話しています。
機関車のシャーシーには「協三工業」の文字が書かれています。
「協三工業」の創業は、昭和15年(1940)。軍事用の小型蒸気機関車の製造を事業の中心としていましたが、戦後は森林鉄道や土木工事用鉄道の機関車を製造し、ディーゼル機関車やガソリン機関車の製造を始めたのは、昭和25年(1950)のこと。現在は、遊園地向けとして小型蒸気機関車の製造などほか、橋梁や建設機械などの製作をしているそうです。