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2019年11月04日

北遠の庚申信仰⑧―シヴァ神の面影

瑞雲院の正青面金剛像 浜松市天竜区春野町犬居の瑞雲院の門前に祀られているは、庚申信仰の本尊。6本の腕、六臂に弓矢・剣・三叉戟と呼ばれる槍・宝輪などを持ち、ショケラと呼ばれる半裸の女性の髪を掴み、腹の前で支える右手には、蛇が巻き付いています。頭には帽子のようなものを被っていますが、そこにも蛇がとぐろを巻いているように見えます。

 この2匹の蛇は何を意味しているのでしょう?

 庚申の本尊は青面金剛です。この青面金剛とヒンズー教の仏教の宿敵であったヒンズー教のシヴァ神との間には、多くの共通点が指摘されています。

青面金剛童子が手に巻いている蛇 「青面金剛は、もと病を流行らせる悪鬼だったが、改心して病を駆逐する善神になった」(南北朝時代の仏教説話集「渓嵐拾葉集」)。

 病魔、悪気、風雷の難を除くには、最強の神が求められました。その姿は慈悲深い仏の姿からは遠く離れた、まさに鬼神。目は釣り、怒髪天を突き、6本の腕で武器を振りかざします。モデルになる姿を探していた時に出会ったのが、ヒンズー教の最高神の一人であるシヴァ神でした。

 そのシヴァ神の持物の1つが毒蛇。「三叉戟」もシヴァ神のもっとも重要な持ち物。また、「ショケラ」とはシヴァ神(大自在天)の別名とも言われているようです。

 ・・・と考えてみると、遠い昔に遠い国から伝えられた鬼神シヴァ神の面影が、瑞雲院の青面金剛童子にも現れていると言えるようです。

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