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2019年11月08日

北遠の庚申信仰⑫―神か?仏か?

熊平の庚申像 庚申信仰の本尊は神か?それとも仏か?

 本来の庚申信仰とは、神道でもなく仏教でもなく、中国道教の「三尸(さんし)説」に基づくもの。 60日に一度の庚申の夜、人々が眠っている間に、身中から三尸の虫が天に昇り、天帝にその人の犯した罪過を告げます。その結果、寿命が短くなり早死にすると考えられていました。

 じゃあ、どうすれば良いのでしょう?そうだ!眠っている間に出て行くのなら、眠らなければ出ては行けまい。一晩中起きていて遊び明かし、飲み明かせばいいではないか。と言うのが、逞しい人間たちの考えたことです。

庚申像石塔笠の卍 その庚申信仰には、仏教や修験道、神道や密教などの信仰や習俗が絡み合い、その本尊として庚申待の夜に懸けられる軸の絵の主は、仏教では青面金剛(しょうめんこんごう)や帝釈天(たいしゃくてん)、神道では「申=猿」の連想からか猿田彦神(さるたひこのかみ)だったりもしたようです。

 しかし、北遠の路傍に立つ庚申様は、見て来た限りでは青面金剛像。少なくとも、浜松市天竜区熊平に祀られている六臂の青面金剛像の笠には「卍」が刻まれ、神仏混淆の時代の庚申信仰でも本尊は仏と認識されていたようです。

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