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2018年02月02日

浮世絵に描かれた秋葉山⑥―「東海道 藤枝」の「講中札」

「東海道 藤枝(行列東海道)」 秋葉神社に所蔵展示されている江戸時代の浮世絵の数々は、もちろん秋葉山や秋葉道を描いたもの。ところが「東海道 藤枝(行列東海道)」と題された、この絵だけはちょっと変わっています。

 描かれているのは藤枝宿を通りかかる大名行列と頭を下げる人々ですが、見慣れた毛槍奴や大名籠などは見当たりません。むしろ、気になるのは旅籠の壁に掲げられた講中札。「伊勢太々講中」「月島(?)講中」「繪草紙講中」「浪花講」「関東講」「秋葉講中」などの木札が並んでいます。

 「講」とは、神社とか寺院に詣でたり、信仰を共有する人たちの集り。各地の「講」が定宿とする宿に印 として残した木札を「講中札」と呼びます。現在でもホテルや旅館の玄関に掲げられている旅行代理店の看板みたいなものでしょうか?つまり、「うちの旅籠は、こんなに有名な「講」の人たちの定宿となっている信頼できる指定旅館ですよ」とのアピールであり、道案内や最新の情報を提供していたようです。

 浮世絵の「講中札」の中でも、一番目立つ位置に描かれているのが「秋葉講中」の木札。次々と歴史的な大火が発生した江戸では、火難除けの秋葉詣が盛んになりました。かといって、個々に遠州秋葉山まで旅をするには経済的な負担が大き過ぎます。そこで、お金を出し合って「講」を作り、交代で選出された講員が代表して参詣、全員分のお札を貰い受けて帰りました。これが、「秋葉講」でした。

 【関連記事】浮世絵に描かれた秋葉山①―「掛川秋葉山遠望」歌川廣重



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この記事へのコメント
こんにちわ!

春野、秋葉の天狗にまつわるものを最近集め始め、たどり着きました。
こちらの作者はどなたかわかりますか?
Posted by アイアン手すり屋社長ないてゅアイアン手すり屋社長ないてゅ at 2024年08月16日 15:26
コメントありがとうございます。調べてみたところ、歌川芳虎作とのこと。江戸時代末期から明治時代初期の浮世絵師だったようです。
Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さんAKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 2024年08月16日 15:43
ありがとうございます!
今後もご教授、よろしくお願いします♪
Posted by アイアン手すり屋社長ないてゅアイアン手すり屋社長ないてゅ at 2024年08月22日 14:17
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浮世絵に描かれた秋葉山⑥―「東海道 藤枝」の「講中札」
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