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2018年09月11日

諏訪大社を訪ねて⑤―上社前宮は北入り、北面

北から入る諏訪大社上社前宮 諏訪大社二社四宮の特徴は、本殿を持たないこと。拝殿と幣殿だけの諏訪造りと呼ばれる形式と言われています。

 しかし、茅野市宮川の上社前宮(まえみや)に行ってみると、解説看板には「本殿」の文字が。「拝所」とされる拝殿の奥には「本殿」とされる社殿が建ってはいますが、ご神体と言うべきものは、その横に見える石の柵、玉垣の中が神域とされる地。祭神である建御名方神 (たけみなかたのかみ)と八坂刀売神 (やさかとめのかみ)の墳墓と伝えられているようです。

前宮拝所 前宮は、その墳墓の北側に境内地が広がるためか、鳥居が建つのは境内北。一般的な神社と違い、拝所も北を向いています。

 つまり、前宮は北入りで北面。そして、本宮は北と東から入り、拝殿は西向き。下社二宮はいずれも南入り、南面であるのと比べると、上社二宮の方が形式にこだわらず、より古い時代から祀られていた神域であるような感じが伝わって来ます。

玉垣に囲まれた墳墓 私たちが「神社は南向き」と思い込んでしまっていたのは、形式を気にする時代以降に建築された神社について。本来はもっと自由で、南に聳える山体をご神体とすれば社を北向きに建てるのは自然なことかも知れません。

 拝所で手を合わせても祈願する言葉など何も浮かばず、この地に立てたことへの感謝だけ。ご利益を期待しない心こそが、本来の信仰のような気がしました。

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