2018年10月03日
諏訪大社を訪ねて㉖―龍神が棲む諏訪湖

毎年十月になると神様が出雲国へ集まって国造りの相談をすることになっておりました。そこで十月はどこの国の神さまもお留守になり、神さまがいない月というので神無月というようになりました。
ところがある年のこと、信濃国の諏訪の龍神様の姿だけがどうしてもみえません。そのうちに見えるであろうと待っていましたが、しまいには待ちくたびれてしまい、
「信濃の神さまはどうした、病気か、それとも遅刻か、いつまで待たせる気だ。」
と、神々たちがさわぎ出しました。
すると天井からでかい声がしました。
「わしはここだ。」
神様たちはどこだどこだと天井をふりあおいで真蒼になりました。天井の梁に樽(たる)ほどもある龍がきりきりと巻きつき真っ赤なへら(舌)をぺろぺろ出しているではありませんか。
「信濃国は遠いので、こういう姿でやってきたのだ。わしの体はこの家を7巻き半しても、まだ尾は信濃の尾掛の松にかかっている。部屋に入って座らずと思ったが、神々がたを驚かしても悪いと思って天上にはりついとった。何なら今からそこへ降りていこう。」
というなり龍神様はずるずると天井からおりはじめました。
神様たちは蒼くなって、
「いやいやそれには及ばん、なるほど信濃は遠いで大変であろ、これからはどうかお国にいて下され。会議の模様や相談はこちらから出向いてしらせにいく。」
と、あわてふためいて手をふりました。
龍神様はからからと笑って、
「そうか、それは有り難い。」
とみるみる黒雲に乗って信濃国の諏訪湖へおかえりになり、湖のそこ深く姿をけしました。
それだから、信濃国には神無月はないといいます。(「信濃の民話」より)

御前崎の桜ヶ池から春野の新宮池、北遠の池の平などで一休みしながら諏訪湖までの遠い道を行ったり来たりしているあの龍神様です。
しかし、残念なことに、生活排水などにより湖の富栄養化が進み大発生が問題となったアオコが、今でも少し漂っているようです。これでは、龍神様も棲みにくそう。近頃、池の平に水が湧かないのは、諏訪湖に帰るのをいやがっているからかも知れません。
Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 06:05│Comments(0)
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