2019年09月13日
浜松・佐久間の伝統芸能 区切りの秋
◆「浦川歌舞伎」休止、「浜背負い祭り」最後に
浜松市天竜区佐久間町で今秋、郷土の歴史にちなんだ芸能や祭りが相次いで一時休止や終幕を迎える。一時休止するのは同町浦川の「浦川歌舞伎」、今回で最後なのは同町大井の「浜背負(はましょ)い祭り」。いずれも、過疎化や高齢化による担い手不足や、開催費が集まりにくくなったことなどが背景にある。
「浦川歌舞伎」に携わる浦川歌舞伎保存会は、28日の定期公演を機に活動を一時休止する。再興を図るため会は存続するが、大沢重夫会長(71)は「寄付者の高齢化に加え、若い会員も少ない。このまま続けては負担が大きかった」と説明する。
江戸末期、巡業中の歌舞伎役者の尾上栄三郎が飯田(現在の長野県)で病に倒れ、浦川の医者や住民に世話になったお礼に歌舞伎を上演したのが始まり。その最中に亡くなった栄三郎をしのび、住民が地歌舞伎を始めた。
昭和の一時期に途絶えたが、1989年に住民有志が保存会をつくり復活させた。平成の間、舞台を守ってきたが、近年は恒例の演目「白浪五人男」を演じる小学6年の男児が足りず、女児も参加。今秋は男児2人に女児が3人と上回る。
2015年には、町の東西を結ぶ原田橋が崩落。生活の不便で住民の流出が進み、寄付も落ち込んだ。愛知県から招く講師の指導料や、道具のレンタル費に充ててきただけに会の悩みは深まった。
いまは公演に向け、会員が旧浦川中体育館でほぼ毎晩の稽古に励む。区切りの舞台とあって例年以上の熱気で、大沢さんは「30年続け愛着がある。今後は会員も浦川だけにこだわらず、佐久間全体でやれる態勢を考え、数年後に公演を再開したい」と話す。
一方、天竜川の船着き場に降ろされた塩やコメなどの生活物資を女性が運んだ歴史にちなみ、背負子(しょいこ)姿の「浜背負い」を住民が再現する「浜背負い祭り」は、11月17日の開催が最後になる。
一帯は佐久間町にあった久根鉱山の恩恵で栄えた。昭和前期、商店街に映画館や芝居小屋も並ぶほどにぎわったが、1970年の閉山を機に従業員と家族らが離れ、過疎化が進んだ。
祭りは危機感を抱く住民が地域おこしに企画し、95年から隔年で開いたが、運営に携わる人も当初の半分に減った。浜松市との市町村合併などで、補助金が半減したことも響いた。
実行委員長の水本作一さん(80)は「年寄りばかりで続けたくても先立つものがない」と複雑な心境をのぞかせつつ、「このまま終わっては寂しいので、最後は盛り上げたい」と話す。(「中日新聞」より)
天竜区観光協会主催の『バスで行く天竜区のいいとこ』浦川歌舞伎定期公演鑑賞ツアーが9月28日(土)に開催され、私もガイドとしてお供することになっています。そして、その前の22日(日)には佐久間ミステリーツアーも。
実は、明日(14日)ミステリーツアーの下見を兼ねて、佐久間に出かけます。でも、どこに寄るかは当日のお楽しみ。
浜松市天竜区佐久間町で今秋、郷土の歴史にちなんだ芸能や祭りが相次いで一時休止や終幕を迎える。一時休止するのは同町浦川の「浦川歌舞伎」、今回で最後なのは同町大井の「浜背負(はましょ)い祭り」。いずれも、過疎化や高齢化による担い手不足や、開催費が集まりにくくなったことなどが背景にある。
「浦川歌舞伎」に携わる浦川歌舞伎保存会は、28日の定期公演を機に活動を一時休止する。再興を図るため会は存続するが、大沢重夫会長(71)は「寄付者の高齢化に加え、若い会員も少ない。このまま続けては負担が大きかった」と説明する。
江戸末期、巡業中の歌舞伎役者の尾上栄三郎が飯田(現在の長野県)で病に倒れ、浦川の医者や住民に世話になったお礼に歌舞伎を上演したのが始まり。その最中に亡くなった栄三郎をしのび、住民が地歌舞伎を始めた。
昭和の一時期に途絶えたが、1989年に住民有志が保存会をつくり復活させた。平成の間、舞台を守ってきたが、近年は恒例の演目「白浪五人男」を演じる小学6年の男児が足りず、女児も参加。今秋は男児2人に女児が3人と上回る。
2015年には、町の東西を結ぶ原田橋が崩落。生活の不便で住民の流出が進み、寄付も落ち込んだ。愛知県から招く講師の指導料や、道具のレンタル費に充ててきただけに会の悩みは深まった。
いまは公演に向け、会員が旧浦川中体育館でほぼ毎晩の稽古に励む。区切りの舞台とあって例年以上の熱気で、大沢さんは「30年続け愛着がある。今後は会員も浦川だけにこだわらず、佐久間全体でやれる態勢を考え、数年後に公演を再開したい」と話す。
一方、天竜川の船着き場に降ろされた塩やコメなどの生活物資を女性が運んだ歴史にちなみ、背負子(しょいこ)姿の「浜背負い」を住民が再現する「浜背負い祭り」は、11月17日の開催が最後になる。
一帯は佐久間町にあった久根鉱山の恩恵で栄えた。昭和前期、商店街に映画館や芝居小屋も並ぶほどにぎわったが、1970年の閉山を機に従業員と家族らが離れ、過疎化が進んだ。
祭りは危機感を抱く住民が地域おこしに企画し、95年から隔年で開いたが、運営に携わる人も当初の半分に減った。浜松市との市町村合併などで、補助金が半減したことも響いた。
実行委員長の水本作一さん(80)は「年寄りばかりで続けたくても先立つものがない」と複雑な心境をのぞかせつつ、「このまま終わっては寂しいので、最後は盛り上げたい」と話す。(「中日新聞」より)
天竜区観光協会主催の『バスで行く天竜区のいいとこ』浦川歌舞伎定期公演鑑賞ツアーが9月28日(土)に開催され、私もガイドとしてお供することになっています。そして、その前の22日(日)には佐久間ミステリーツアーも。
実は、明日(14日)ミステリーツアーの下見を兼ねて、佐久間に出かけます。でも、どこに寄るかは当日のお楽しみ。
「浜背負い祭り」には、佐久間の山香出身で「みんなと倶楽部 ⚓ 掛塚」会員でもある作詞家&シンガー・うめたちあきさんのライブもあります。みんなで盛り上げましょう!