2019年11月12日
西渡の「栄枯盛衰」②―解体前の「三井屋呉服店」

「三井屋呉服店」さんのような店舗建築は、看板建築と呼ばれています。外観こそ洋風に見えますが、中は木造2階建ての店舗兼住宅。江戸時代以来一般的だった商店は、軒を大きく前面に張り出したもので、出桁造と呼ばれるものでしたが、道路の拡幅等で敷地が狭くなり、狭くなった敷地面積では軒を出すのは不利。かと言って、庇をが道路にはみ出せば違法ですので、前面が平らな建築となりました。


そんな「三井屋呉服店」の昔の写真を入手しました。玄関上の「三井屋呉服店」の文字が、はっきりと読むことができます。この文字は、木を銅板で覆ったもの。戦時供出で銅板を剥がされて、現在のように風化してしまったとのことです。
久根鉱山の盛衰を見て来た西渡の「三井屋呉服店」の看板建築。この後しばらくして、自らの歴史にも幕を引くことになりました。