2019年09月06日
浜北・貴布禰神社&「森岡の家」跡を訪ねる⑥―鈴木傳重郎「重直」
障子の上には木彫の欄間がはめ込まれ、表に「重□(花押)七十一作」、裏に「鈴木□□七十一」「カケツカ」の彫込が見られます。これはおそらく竣工間近工鈴木勇次郎が残したもので、当時71歳であったのでしょう。
よく似た彫込が安間村(現東区安間町)の金原明善生家(現金原明善記念館)の同所(座敷付書院の欄間表)にあり、同じ大工が手がけた可能性があります。
そして、実際に彫られていたのは表に「重直 七十一作」の文字と花押、裏に「カケツカ」の文字と「鈴木三光七十一」の落款を模した彫込み。解説で「□」とされていた文字は、「直」「三」「光」で間違いありません。
ただし、鈴木勇次郎と「重直」こと鈴木傳重郎は別人。家を建てた大工棟梁は鈴木勇次郎ですが、付書院の欄間を彫ったのは鈴木傳重郎というのが正しいと思います。
ただし、鈴木勇次郎と「重直」こと鈴木傳重郎は別人。家を建てた大工棟梁は鈴木勇次郎ですが、付書院の欄間を彫ったのは鈴木傳重郎というのが正しいと思います。