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2018年12月18日

交易の歴史を学びに佐久間へ⑩―土蔵の乳釘と「掛子塗り」

御室家の土蔵 御室家住宅の長屋門をくぐり、母屋の先には切妻二層の土蔵があります。腰部は平瓦を漆喰を盛り上げてつないだ「なまこ壁」です。

 外壁は土を何層にも塗った漆喰壁に3層の水切りや折れ釘も。折れ釘の台座になる漆喰の盛り上がりは「ツブ」と呼ばれていますが、その形から「乳釘」とも呼ばれ、土蔵修理の時の足場かけなどに利用されたと言われていますが、装飾の要素もあったようです。

「掛子塗り」の扉
「掛子塗り」の扉

 ちょっと気になるのは、1階の扉と2階の窓。ともに、1層で合わせるのではなく、何層もの段々を付けているため、左右の扉の大きさが違って見えています。

土蔵の基礎石 これは、防火のための工夫。「掛子塗り」と呼ばれる土蔵独特な扉の合わせで、扉を閉めると漆喰の段々が重なり合い、火の手はもちろん火の粉さえ蔵の中には入らせません。これが、「掛子塗り」の防火扉。扉が開かれている時には、財力の象徴としての土蔵を豪華に飾っています。

 そして、もう1つ気になったのは、土蔵の基礎石。もしかしたら、掛塚湊から川を遡って運ばれた凝灰岩系伊豆石かも知れません。

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