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2017年12月24日

「松ヶ岡」旧山崎家住宅を訪ねる⑧―面皮板の長押

面皮板の長押 鴨居の上に取り付けられ、柱と柱を繋ぐ横材を長押(なげし)と呼びます。和室では当たり前のように目にする長押ですが、江戸時代まで贅沢な装飾と考えられ、長押を付けることが出来るのは武士階級のみ。

 この長押を見ても、山崎家が特別な待遇を受けていたことが分かります。

 廊下側の長押板は、一見面取りをしたように見えますが、実は杉の樹皮を剥いだ面を残したままの面皮(めんかわ)板が使われています。あえて芯を外し外側を使うのですが、材はほぼ同じ太さで真っ直ぐに長く成長した杉でなくてはいけません。

面皮板の長押と竿縁 長押の長さは5間(約9.09メートル)。これほど細くて長い面皮板を切り出すことが出来た杉材は、どこの山で調達されたものだったのでしょうか?尾鷲杉かな?まるで帆柱のように細くて真っ直ぐです。

 また、天井の杉柾目板を抑える竿縁(さおぶち)も、長押と同じ面皮。ともに、節を避けるのではなく、むしろ節を見せることで、より自然な趣、味わい、風情を感じさせようとする技法です。

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Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 05:26│Comments(0)歴史・産業遺産・寺社・文化財
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