2018年04月09日
道祖神のまねきにあひて⑤―水窪町門桁の「双体道祖神」

舟形光背の前に男女2体が浮き彫りにされ、向って左の女神が瓢を持ち、右の男神は盃を手にしている、典型的な双体道祖神の形。「天保二年」の文字が刻まれていますので、天明3年(1783)の向市場、天保14年(1843)の船明の間、西暦1831年に建立されたもののようです。
もともと、この場所にあったものか、集落の境界近くにあったのを移座したものかは分かりませんが、県道389号気田川上流に沿った忘れられがちな集落にも、北遠の歴史文化が残されています。
かつては、国有林の林材を搬出するために敷設された気田森林鉄道の起点・都沢に近い集落として大切な役割を果たした門桁。静かな山里を見守る双体道祖神が1基、曇り空の下で佇んでいました。