2017年12月07日
光明寺の境内散策③―筆の跡まで刻まれた文字
そのため、力強く筆を入れたり止めたりする箇所は深く彫り、力を抜きながら払う箇所はスーッと次第に浅く舟底のように彫ったりもして、筆で書かれた文字の雰囲気を伝えようとします。
ところが、この「從是光明山道」の道標を見てください。筆の払い箇所や弱く筆を入れる箇所などは、いかにも筆先が割れたような筋が刻まれています。
経年による風化や、文字をいつまでも読みやすく保つことだけを考えれば、同じ幅、同じ深さで彫れば、それで良いはず。ただ、それでは当たり前過ぎて、粋でないと考えた人たちがいたようです。
この石碑は、そんな石工「又右衛門」が彫った文字。チャキチャキの江戸浅草講中の江戸っ子によって寄進されたものです。