2017年04月20日
掛塚湊の面影を訪ねて⑥―青石の基礎の上に立つ伊豆石の蔵
掛塚に往時の繁栄を今に伝える「蔵」がたくさん残されているのは紹介した通り。掛塚の「蔵」の特徴は、高い基礎の上に築かれていることです。
この基礎の高さは天竜川の氾濫を警戒してのこと。たかが石積みですが、天竜川河口の砂洲に広がる掛塚には、河原の小石はあっても、積み上げるほどの石はなかったはずです。
そこで利用されたのが、天竜川の青石、天竜石(緑色片岩)でした。
伊豆下田港から運ばれた伊豆石で造られた蔵と、青石を積み上げた石積みとのコラボ。江戸に木材を運んだ証が、生活物資などとともに帰り船に積まれて陸揚げされた伊豆石であるとすれば、その木材を生産した地が、天竜川の上流、北遠の山であったことを示しているのが青石です。
この基礎の高さは天竜川の氾濫を警戒してのこと。たかが石積みですが、天竜川河口の砂洲に広がる掛塚には、河原の小石はあっても、積み上げるほどの石はなかったはずです。
そこで利用されたのが、天竜川の青石、天竜石(緑色片岩)でした。
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別の白壁が美しい土蔵の基礎も、やはり青石。
伊豆石の蔵や白壁の土蔵に象徴される掛塚湊の繁栄も、蔵を支える基礎の青石と同じく、北遠の山の恵みなくしてはあり得なかったのです。
伊豆石の蔵や白壁の土蔵に象徴される掛塚湊の繁栄も、蔵を支える基礎の青石と同じく、北遠の山の恵みなくしてはあり得なかったのです。