2017年04月19日
掛塚湊の面影を訪ねて⑤―蔵、倉、庫
かつて「遠州の小江戸」と呼ばれた掛塚には、往時の繁栄を今に伝える「蔵」が残されています。中でも特に目を引くのが、伊豆石の「蔵」。保管庫としての実用だけでなく、富の象徴でもあったと思われます。
北遠の木材を江戸へと運ぶ廻船業で栄えた掛塚湊では、帰り船がバランスをとるために運んだという伊豆石の「蔵」がたくさん残っています。
伊豆石の後にハイカラな雰囲気で人気だったのは、赤煉瓦だったのでしょうか?今ではホームセンターでも買えるレンガですが、日本で盛んになったのは明治中期以降。火災には強くても地震には弱く、木造建築の壁面に張り付ける工法が取られました。
細かい種石にセメントを混ぜて表面を磨き出し天然石を真似た人造石、砂とセメントを混ぜたモルタル壁で木造の建物を囲んだ「蔵」。外壁を土や漆喰で仕上げた伝統的な「蔵」も見ることができます。