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2018年10月31日

昭和18年の秋葉山大火⑤―湯を沸かした残り火から火が出た

 上の秋葉神社の社殿も何も焼けちやったでの。まぁ三尺坊(秋葉寺)の庫裏や本堂の建物が残ったっていうのは、それやぁえかったヾいのぉ。それよぉ不思議なこんだって言う人も居るがの、それもそうだと思ったゞいの。

 あの山火事じやぁ、わしらぁ何日出て働いたもんか、もうすっかり忘れちやったなぁ。それからしばらく後はの、山火事のことで方々で話が出たがの。何せ戦争中のこんだったんで、そっちの方が大変で、肝心なことで、今ん見たいに事が起きりやぁ、それから何時までも騒いでるっていう様なこたぁなかったゞいの。

 そんだで誰が火を出したゞの、それやぁ何処の人だの何ていう様なこたぁの、案外、そう広くに言われもせずに済んだゞいの。

 何百町歩か、山ぁえらく広く焼けたことだで、火を出した本人はの、大変なことだでって、心配したゞいの、皆んなが。

 わしらぁ知らんが、この町の人で、何でも平山鉱山で働いてゝ、それが二人で十時の飯時に湯を沸かした残り火から火が出たっていうことぉ聞いた、よかぁ知らんがの。

 そんでその人も直ぐと、何処っかへ出て行ったていう話だで、もうそれこそ知ってる人もないんだいの。(木下恒雄著「山の人生 川の人生」より)

    ◆       ◆       ◆       ◆

 これが、昭和18年(1943)の秋葉山大火の真相。早いもので今日(3月11日)は、「東日本大震災」発生から丸1年。そして明後日には、春の強風に煽られた大火が秋葉山を襲った3月13日がやって来ます。

(遠江國)秋葉神社拝殿正面景
遠州秋葉神社本殿

 古い絵葉書に写る「(遠江國)秋葉神社拝殿正面景」も、「遠州秋葉神社本殿」も、現在はありません。

 それでも、私は秋葉山に登ります。神頼みや信心と言うよりも、自然に浸り自分を見つめ直す時間として、私は今年も秋葉山に登ります。

 「秋葉山から火事」と言えば、 「火消しの家にも火事」と同義のことわざ。「防火」の守り神として知られる秋葉山から火が出ることもあるように、人を教え導くはずの人が、人に教え諭したことと同じような過ちを犯すこともある」という意味です。火元には、くれぐれもご注意ください!



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