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2021年05月07日

日本唯一の関所建物①―「建前棟梁 小栗傳十良」

新居関所跡 湖西市新居にある「新居関所跡」を訪れたことがある人はおおぜいいらっしゃると思います。新居関所は明治2年(1869)の関所廃止令で廃止にされた後も、小学校の校舎や役場庁舎として昭和26年(1951)まで利用され続け、その建物は、現存する唯一の関所建物として国の特別史跡に指定されています。

棟札 新居関所を訪れたとしても、その東西に長い入母屋造の建物に注目する人は、私を含め少ないのではないでしょうか?ところが、この関所残された棟札に、有名な掛塚の宮大工の名が残されていることが分かりました。

 残念ながら、棟札を直接確認することはできませんでしたが、資料として送られて来た画像を見ると、長い棟札の下に書かれた大工の名の真ん中に「建前棟梁 當国掛塚村 小栗傳十良」と墨書きされているのが分かりました。

 「小栗傳十良」とは、のちに鈴木傳重郎(重直)を名乗ることになった「小栗傳十」のこと。棟札に記された「安政二乙卯歳十二月」は西暦に直せば1856年の1月。「建前棟梁」とは、おそらく設計から建前までを担当した大工の意味と思われます。

「建前棟梁 當国掛塚村 小栗傳十良」 金原明善家や解体された浜北の「森岡の家」の欄間などにも名前が残された鈴木傳重郎が新居関所の建築に関わっていたことが分かったのは、大変嬉しい知らせです。


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