2018年03月11日

「新緑の佐久間ダム探訪」下見ウォーク④―周波数変換所

電源開発佐久間周波数変換所 「なかっぺはし」を渡り切り、国道473号を横断した先にある施設は、電源開発佐久間周波数変換所です。

 普段の生活ではあまり気にすることもありませんが、日本の電力は富士川を境に、東日本が50Hz、西日本が60Hzの周波数に分かれています。これは、明治初期に東京電灯(現東京電力)がドイツ製の50Hz発電機を導入、次いで大阪電灯(現関西電力)が米国製60Hz発電機を設置したのが原因。東と西に分かれる現在の形になりました。電化製品によっては、電源周波数が異なると使用できないものもあるので、周波数の異なる地域へ引っ越す際には注意が必要です。

 電源周波数の違いは、電力会社にとっても時に厄介な問題。電力会社は、電力負荷の変動に応じて広域に電力を融通し合うことがありますが、周波数が異なると当然ながらそのままでは相互融通することができず、周波数変換の必要が生じます。

古い絵葉書「王子製紙中部工場」 50Hzと60Hzの送電線がつながる電力所では「周波数変換設備」を使い、異なる交流電力を変換して相互に送電できるようになっています。

 周波数変換所は、佐久間ダム建設時に利用されたセメントサイロの跡地に造られました。

 さらに遡れば、王子製紙中部工場があったのもこの辺り。繁栄を支えた佐久間の「中部(ちゅうぶ)」が、ここ「中部(なかべ)」だったのです。

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