2018年01月15日
沢井天伯を訪ねる⑨―半切妻屋根の校舎
旧城西小学校野田分校の校舎は一見切妻屋根のように見えましたが、よく見るとドイツ破風とも呼ばれる半切妻の形状。これも、当時の校舎に多く見られるモダンな要素を取り入れた擬洋風建築と言えるのでしょうか?
校舎裏に回ると池があります。今では草が茂り面影もありませんが、かつての池は縁部を静岡県の形に象られ、遠州灘や駿河湾、浜名湖の形に水が張られていたのだそうです。
地域外に出かけることが少ない山間の小学生にとっては、世界や日本はもちろん、静岡県がどんな地域か思い浮かべることは難しい課題。静岡県の形をした池の縁に立ち池を覗き込む子どもたちにとって、そんな課題解決の助けになったのでしょうか?
窓に映る景色はどちらを見ても森ばかり。恵まれた自然に囲まれて育った子どもたちのほとんどは、残念ながらここに暮らしてはいません。故郷を離れ、どこに暮らしているのでしょう?
今、山を眺めているのは子どもたちではなく、赤錆びた半鐘だけになってしまいました。
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今、山を眺めているのは子どもたちではなく、赤錆びた半鐘だけになってしまいました。