2024年05月01日
目で見る掛塚の防災⑥―高く積まれた石塀
それでは、掛塚地区の掛塚地域の洪水対策はどうだったのでしょう?明治時代中期に描かれた銅版画で確認すると、かつての「江戸屋」津倉家も「中屋」松下家も「川口屋」林家も、屋敷の周囲が石塀で囲まれていたことが分かります。
現在、当時のままの伊豆石塀が残されているのは林家だけですが、石塀は火災による類焼を怖れたから。もちろん、イヌマキなどの生垣も類焼防止の役割。さらに、洪水の被害を防ぐのにも石塀は有効です。
そして、掛塚に残る蔵には石蔵が多いのも同じ理由。林家の蔵はなまこ壁で造られていますが、基礎となる石積みの高さは、明らかに洪水による水害防止を意識したもの。しかし、水害に強い石塀とは言え、地震発生時の倒壊については不安があります。
*今回、「目で見る掛塚の防災」と題してレポートさせていただいたのは、5月18日(土)19日(日)に開催する「みんなと倶楽部 ⚓ 掛塚」主催の「いじゃまいかけつか・2024年春」のテーマを「防災」としたから。正月には能登半島地震が発生し、テレビの画面を通して被災現場の光景を目の当たりにしたことにより、南海トラフ巨大地震に対する備えの必要性がより身近な課題として考える機会としていただきたいと考えました。
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現在、当時のままの伊豆石塀が残されているのは林家だけですが、石塀は火災による類焼を怖れたから。もちろん、イヌマキなどの生垣も類焼防止の役割。さらに、洪水の被害を防ぐのにも石塀は有効です。
