2019年12月13日
氷見・高岡へ万葉の旅⑨―和洋折衷
土蔵造り住宅と聞くと、白漆喰にしても黒漆喰にしても、「和」にこだわった伝統的な工法、意匠が連想されてしまいがちかも知れません。しかし、富山県令第51号「建物制限規則」により土蔵造りなどの耐火構造が義務づけられたのは明治33年(1900)の大火後でしたので、日本にはすでに「ハイカラ=high collar」に代表される西洋建築の生活様式が浸透していました。
それを感じさせてくれるのは、白漆喰の壁を飾る鏝絵。2階窓の上に見られる飾りは北前船のようではありますが、上のアーチや左右の柱を模したデザインは、明らかに西洋風。
それを感じさせてくれるのは、白漆喰の壁を飾る鏝絵。2階窓の上に見られる飾りは北前船のようではありますが、上のアーチや左右の柱を模したデザインは、明らかに西洋風。
正面と側面との角には、ギリシャ、コリント様式に見られるアカンサスの模様を施した柱のような飾りも。「雪割り瓦」の連なる棟の両端には、これも西洋風の「立物」と呼ばれる瓦で飾られるなど、高岡の山町筋は印象に残る和洋折衷の町並みでした。