› 自然と歴史の中を歩く! › ウォーキング・ぶらり旅・町歩き › 民話・言い伝え › 早春の獅子ヶ鼻トレッキング⑲―鐘掛山のお姫様

2019年03月16日

早春の獅子ヶ鼻トレッキング⑲―鐘掛山のお姫様

「鐘掛山のお姫様」の看板 「鐘掛岩」にまつわるもう1つの言い伝えが、看板に書かれていました。読みにくい文字もありましたので、「中遠昔ばなし」から「第35話 鐘掛け山のお姫さま」を引用させていただきます。

 虫生の川の南に鐘掛け山という険しい岩山が高くそびえています。

 昔、この岩山に一人の美しいお姫様が住んでおり、毎日麓の川に下りてきては水を汲んで行くのでした。

 しかし、そのお姫様の姿を誰一人として見た者はありませんでした。そしていつからか「姫の姿を見ると不幸になる。見ないほうがいいよ・・・」という噂が立つようになりました。

 若者達の間ではこの噂が信じられず、反対にお姫様の姿を見たくてたまらなくなり、ついに険しい岩山を登り始めました。しかし、もう一息というところでどうしても岩山を登ることができませんでした。若者達は腹立ちまぎれにお姫様が毎日水を汲みにくる道を壊してしまいました。

 数日後、若者達は様子を見に行くと、今度はなんなく登れました。喜んで家の中を見ると、お姫様の姿はどこにもなく、部屋の壁には文字が残されていました。「私は水がないので、これから生きて行けません。ただ死を待つばかりです。私は一生この川に腹の赤いウナギになって過ごします。赤腹のウナギがここに住むかぎり、この村にはお金持ちはでないでしょう。」読み終わった若者たちは、皆顔を見合わせて自分達のしたことを悔やみ、悲しみながら山を下りてきました。


 一語一句まで同じではありませんが、ほぼこんな内容のようでした。

 【関連記事】早春の獅子ヶ鼻トレッキング①―駐車場からの遠望とアセビの花


同じカテゴリー(ウォーキング・ぶらり旅・町歩き)の記事

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
早春の獅子ヶ鼻トレッキング⑲―鐘掛山のお姫様
    コメント(0)