2018年08月05日
城西・大洞峡を歩く④―山の貯水能力
大洞峡(おおぼらきょう)の沢に沿った道を歩くと、大小さまざまな滝と出会います。「滝」については、国土地理院は「流水が急激に落下する場所をいい、原則として高さ5メートル以上で、常時流水のある著名なもの、または好目標となるものを表示します」と定義しているのですが、大洞峡の滝の多くは「河川にできた河床の段」の程度の小滝。ただし、水量は豊富でザーザーと大きな沢音が響いています。
大洞山の北面には布滝が流れ落ち、南面に湧いた水が大洞峡を流れているのですが、この水はすべて木や草が育つ大洞山に貯水されたもの。もしも、岩だけの山だったとしたら、雨水が流れてしまえば沢は涸れるはずです。
大洞山の北面には布滝が流れ落ち、南面に湧いた水が大洞峡を流れているのですが、この水はすべて木や草が育つ大洞山に貯水されたもの。もしも、岩だけの山だったとしたら、雨水が流れてしまえば沢は涸れるはずです。
この豊富な水を利用し、かつてはワサビの栽培も行われていた様子。向皆外(向皆戸:むかがいと)地区の住民の暮らしにとって、大洞峡を流れる水は「命の水」だったのではないでしょうか?