2020年02月16日
伝承館、存続の危機 NPO、市に運営返上 浜松・佐久間

同館は1990年、地域の伝統の継承を目的に旧佐久間町が町内に残っていた江戸時代の農家を移築して整備し、合併後の浜松市が2013年、行財政改革の一環で民営化や住民運営への移行方針を示した。「受け皿がないと廃止になってしまう」と危機感を強めた住民有志が集い、同法人を発足。15年度から、中山間地域まちづくり事業の交付金や施設管理の補助金を受けて運営を担ってきた。
町内の語り部による民話を語る会や民俗芸能の魅力を広める観月会などの開催に尽力してきたが、15年に国道473号「原田橋」が崩落、18年には同区龍山町の国道152号の土砂崩れが発生し、交通不便による来館者の減少に苦しんだ。
館内で在来ソバを使った地そばを提供している女性グループ「野田やまびこ会」が施設維持に協力してきたが、売り上げの減少や会員の高齢化などを理由に3月末での撤退を決定。法人も事業期間を満了する本年度末で運営から手を引くことにした。
同法人の奥山浩行理事長(83)は「苦渋の決断だった。市が一度は管理を手放した施設なので、今後どうなるか」と声を落とした。(2020年2月6日付「静岡新聞」より)
ホウジ峠のそば処の営業は3月末までの土・日と祝日のみ。こたつに足を入れてぬくぬく温まり、美味しいそばを食べに出かけましょう!