2020年02月05日
佐久間民俗文化伝承館 市民奮闘も来月閉館

浜松市天竜区の市佐久間民俗文化伝承館が、3月末で閉館することが決まった。地元有志らでつくるNPO法人などが市の補助金を受けて運営し、特産の在来ソバを使った食事を提供するなどし、過疎化する地域をもり立てようと取り組んできた。原田橋の崩落など交通アクセスが悪化する中、来場者や売り上げが減少。補助金打ち切りもあり、現状では継続が難しくなった。
伝承館は、浜松市との合併前の旧佐久間町だった1990年、浦川地区にあった江戸末期の農家住宅を佐久間地区に移築して開館した。地域の民話を紹介するイベントなどが繰り広げられたほか、地元で在来種のソバを栽培する女性グループ「野田山びこ会」が土・日・祝日に手打ちそばなどの郷土料理を提供する「そば処(どころ)北条峠」を開いた。
合併後、行財政改革の一環で市が廃止の方針を打ち出した。継続を求める有志がNPO法人「歴史と民話の郷さくまを守る会」を発足させ、2015年度から管理してきた。市の補助金は15年度に85万円あったが、年々減少して19年度はゼロになった。
15年に原田橋が崩落したのに加え、18年春に同区龍山町の国道152号で斜面崩落があり1年ほど通行が規制され、来場者数が大幅に落ち込んだ。そばを目当てに県外から足を運ぶファンもいるが、18年春以降は売り上げがピーク時の六割に減った。
そば粉の製造設備の老朽化もあり、継続するには負担増加が見込まれ、3月29日の営業を最後に運営から手を引くと決めた。
NPO法人理事長の奥山浩行さん(83)は「観光の拠点として頑張ってきたが、力及ばなかった。やめたくなかったので残念」と悔しがる。山びこ会会長の鎌倉亀代さん(69)は「撤退は心残りだが、会員の高齢化もあり厳しかった」と語る。

伝承館の建物は市の所有で、担当者は「引き継いでやってくれる方がいればいいが、閉館後の活用策は決まっていない」と話す。(「中日新聞」より)
今月末(2月29日)には「原田橋」の開通式が行われるこの時期に、驚きのニュースが飛び込んで来ました!ショックです!