2018年03月23日
神妻神社を訪ねる④―「椎ケ沢の白ひげ明神」
ある晩、椎ケ沢に住む背丈が5メートル、右手に杖を持った大男の白ひげ童子が24センチ四方の社を造ってまつれというお告げの夢を見ました。若狭守は、「今日まで何ごともなく過ごすことができたのは、あの白ひげ童子のお蔭かも知れない。」そう思いつくと、さっそく祝詞をあげてまつりました。
それから数年がたったある年、雨の降らない日が2ヶ月も続きました。川の水は干上がり、畑の作物は枯れる寸前になっていました。困った人々は、村の神様に雨乞いをしました。けれども雨は、一滴も降ってはきません。
不安と心配が重なった村人たちは、秋葉神社にお祈りをしました。途中、白いひげをはやした坊さんに会いました。
「どこへ行きなさるかね。」
「この日照り続きなので、秋葉神社に雨乞いのお祈りに行くところで。」
「そうですか。それでは、まず行って来なされ。」
村人たちは、坊さんの様子を不思議に思いましたが、そのまま、秋葉神社へと急ぎました。もどる途中、今朝出会った坊さんがじっと立って言いました。
「神妻神社に相談に行ったらどうだ。」
帰る途中のその時です。大つぶの雨が、音をたてて落ちて来ました。人々は、雨の中を、子供のように声をあげてとび回りました。村に帰ってみると、村中大喜びの最中でした。こうしたことがあってから、白ひげ明神は、農業の神様として、おまつりする人が多くなったということです。(「浜松だいすきネット」より)
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佐久間の民話「椎ケ沢の白ひげ明神」でも、神妻神社が雨乞いを祈る神社だったことが分かりました。