2020年08月17日
「猛暑日」の国境(くにざかい)を歩く②―池島集落
かつての「塩の道」と書いてしまいましたが、もちろん信州と遠州とを結ぶ秋葉街道でもありました。
その名残りとも言える石碑が池島集落には残されています。それぞれに「金毘羅神社 秋葉山神社」、「秋葉山大権現 金毘羅大権現」と刻まれた2基の石碑が、信州の方向を正面にして建てられています。その脇には常夜燈もあり、信州から秋葉詣でをするため、急な坂道を登って峠を越えて来た旅人たちは、この石碑の文字を読み、常夜燈の仄かな明かりを見て、ほっと一息ついたことでしょう。
明治時代の神仏分離令によって神道と仏教とが分離され今に至っていますが、かつての神仏混淆は日本人ならではの広い心による宗教観。神道と仏教だけにとどまらず、キリスト教もイスラム教もヒンズー教も、絶対に敵対するものではあってはなりません。