2019年07月08日

天竜川のプロペラ船⑥―「天龍丸」

 これも、磐田の佐口行正さんが集めた古い絵葉書。天竜川を航行していたプロペラ船の写真を使用した絵葉書です。絵葉書は「天龍川飛行艇二俣町鹿島發着地之全景」と題され、「天龍丸」の書かれたプロペラ船の船体が、明治44年(1911)に架けられた「天龍橋」を背景に写されています。

 それだけなら、「ふ~ん、あっそ~」で終わってしまいそうですが、実は、この写真に見覚えがありました。それは、「天龍川飛行艇二俣町發所ノ景 二俣驛ノ大楠林 布袋屋發行」と題された絵葉書。2枚を並べてみましたので、よくご覧ください。

天龍川飛行艇二俣町鹿島發着地之全景
天龍川飛行艇二俣町鹿島發着地之全景
天龍川飛行艇二俣町發所ノ景 二俣驛ノ大楠林 布袋屋發行
天龍川飛行艇二俣町發所ノ景
二俣驛ノ大楠林 布袋屋發行

 組み合わされた写真の右下のものが、絵柄も構図の細部までそっくりです。いや、そっくりと言うよりも、同じ写真が使われたとしか考えられません。

天龍川飛行艇龍山村鳴瀬ノ急流遡行ノ景 「じゃあ、同じセットなんじゃない?」と思われるかも知れませんが、今回の絵葉書は「布袋屋發行」ではありませんし、印刷も違っていますので、カメラマンが撮影した同じ写真を、双方で購入したと考えられます。

 むしろ、同じセットの絵葉書は、「天龍川飛行艇龍山村鳴瀬ノ急流遡行ノ景」の1枚。「山一」の帆を掲げる久根銅山の鉱石船の間を抜けて、鳴瀬を通り、西渡、中部に向かって遡って行くプロペラ船「天龍丸」の姿です。



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