2017年07月07日
世界文化遺産「韮山反射炉」②―伊豆石と耐火煉瓦
かつては、どこに家にもあった煙突。高温の空気は低温の空気より密度が低いため煙突内の空気に浮力が生じ、下部の空気取り入れ口から新たな外気を引き入れながら上昇して排出されることでより燃焼が進む効果により、より高温の燃焼が得られる装置が煙突です。
炉体を構成している伊豆石の石積みには隙間が見られません。正確に切り出した石を熱を逃がさないように隙間なく積み上げる技術は、石垣技術の比ではありません。
溶解した原料は不純物を多く含む銑鉄。燃料は石炭。高温燃焼により鋳造された大砲は品川台場に配備され、反射炉に必要とされた耐火煉瓦の製造技術は、明治時代の洋式建築に利用されるなど、日本の近代化に大きな役割を担ったことも忘れてはいけません。