御前崎の万葉歌碑を訪ねる①―「白羽=御前崎市白羽」説

AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん

2020年10月09日 05:28

 「万葉集」(巻19‐4324)、丈部川相が詠んだ「遠江 白羽の磯と 相ひてしあらば 言も通はむ」の歌の「白羽」については、磐田市白羽、浜松市南区白羽町のほか、御前崎市白羽も候補に名乗りを上げています。

 この歌が刻まれた碑は、磐田市と浜松市のものを紹介しましたが、御前崎の碑も紹介しなければ公平ではないと思い立ち、御前崎市白羽の海岸道路沿いに建てられた歌碑を訪ねました。

 歌碑はすぐに見つかり、刻まれていた歌は「等倍多保美 志留波乃伊宗等 尓閇乃宇良等 安比弖之阿良婆 己等母加由波牟」。そして、解説看板には・・・

萬葉歌碑
  昭和五十五年九月十八日建立

 白羽の磯の歌は、万葉集二十巻に収められている。
 作者は、丈部川相(はせつかべのかはひ)現在の 袋井市北部一帯の山名郡の人である。
 今から千二百年前の天平時代の一防人の短歌で、防人とは、築紫防衛のため、東国から派遣された農民兵士たちで、任期は三年、守備と農耕に従事した。  御前崎市教育委員会


 ・・・とあり、歌碑がここに建てられているということは、「志留波=白羽=御前崎市白羽」説。「遠江の白羽の磯と、贄の浦とが向かい合っていれば、言葉も通うだろうに」と切ない思いを詠んだ歌です。

 「白羽」は「白砂の浜」に由来する地名。3ヶ所の候補ともに太平洋に面した地域ですから、1ヶ所に特定するのは難しいですね。

 【関連記事】御前崎の万葉歌碑を訪ねる②―ハマカンゾウ・ハマアザミとハマゴウの花

 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅⑪―堅香子草
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅㉔―「海行かば」の碑
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅㉕―大伴家持卿像
 【関連記事】氷見・高岡へ万葉の旅㉙―万葉歴史館
 【関連記事】浜北・貴布禰神社&「森岡の家」跡を訪ねる⑫―万葉歌碑
 【関連記事】真夏の中田島砂丘を歩く⑥―万葉歌碑と浜昼顔
 【関連記事】磐田市の万葉歌碑を訪ねる①―竜洋なぎの木会館
 【関連記事】磐田市の万葉歌碑を訪ねる②―ナギの木と帆掛け船のオブジェ
 【関連記事】磐田市の万葉歌碑を訪ねる③―御殿遺跡公園
 【関連記事】磐田市の万葉歌碑を訪ねる④―川嶋龍洲先生書の歌碑
 【関連記事】磐田市の万葉歌碑を訪ねる⑤―整備工事中の今之浦公園
 【関連記事】磐田市の万葉歌碑を訪ねる⑥―今之浦文学碑
 【関連記事】磐田市の万葉歌碑を訪ねる⑦―ワークピア磐田駐車場
 【関連記事】細江町の万葉歌碑を訪ねる①―細江公園
 【関連記事】細江町の万葉歌碑を訪ねる②―西気賀小学校
 【関連記事】細江町の万葉歌碑を訪ねる③―「引佐細江のみをつくし」とプリンス岬
 【関連記事】細江町の万葉歌碑を訪ねる④―吾跡川楊
 【関連記事】浜北の万葉歌碑を訪ねる①―「万葉の森公園」
 【関連記事】浜北の万葉歌碑を訪ねる②―3基の歌碑
 【関連記事】浜北の万葉歌碑を訪ねる③―「静岡県の万葉歌碑」と駐車場の歌碑
 【関連記事】浜北の万葉歌碑を訪ねる④―麁玉協働センター
 【関連記事】浜北の万葉歌碑を訪ねる⑤―宮口の八幡神社
 【関連記事】三ヶ日町の万葉歌碑を訪ねる①―三ヶ日中学校
 【関連記事】三ヶ日町の万葉歌碑を訪ねる②―乎那の峯
 【関連記事】浜松市の万葉歌碑を訪ねる①―三方原小学校
 【関連記事】浜松市の万葉歌碑を訪ねる②―萩丘の朏三日月稲荷社
 【関連記事】浜松市の万葉歌碑を訪ねる③―浜松文芸館跡
 【関連記事】浜松市の万葉歌碑を訪ねる④―寸田ヶ谷の三社神社
 【関連記事】浜松市の万葉歌碑を訪ねる⑤―五社公園
 【関連記事】浜松市の万葉歌碑を訪ねる⑥―南陽協働センター
 【関連記事】浜松市の万葉歌碑を訪ねる⑦―真淵翁顕彰碑広場
 【関連記事】袋井市の万葉歌碑を訪ねる①―梅山八幡神社
 【関連記事】袋井市の万葉歌碑を訪ねる②―浅羽図書館
 【関連記事】袋井市の万葉歌碑を訪ねる③―袋井中学校

関連記事