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2020年05月25日

2014年8月23日、栃生山に登る⑦―有用な一位の木

イチイ 「少し下った所にイチイの木があります。下りてみましょう!」と言うことで、斜面を下りました。

 すると、モミやトウヒに交じり、一段と太い巨樹が見えて来ました。「あれが、イチイです」。

 イチイは飛騨高山の一刀彫に使われている木。「アララギ」とも呼ばれるのがイチイですが、北遠で見かけるのはまれ。ここの「イチイ」も、たった1本だけの生育です。

イチイ 上部は折れたようで、根元近くには洞も出来ていましたが、まだ枯れてはいません。

 イチイは神主が持つ木笏の材にも使われ、「正一位」「従一位」にも通じるところから「一位(イチイ)」の名が付けられたとの説もあり、様々な用途に利用される有用な樹木です。

 北遠の人工林は杉、ヒノキばかりが目立ち、建築材と言えば杉、ヒノキだけと思いがちですが、実際には、腐りにくい、割れにくい、木肌が美しい、水に強い、加工しやすいなど、用途により様々な樹種が選択して利用されて来ました。

地下足袋を履いた参加者たち また、建築材の他にも、家具、彫刻や食器、鍬や鎌などの柄のほか、木の実や葉は食用として利用され、もちろん染料や薬としても使われて来ました。北遠の山も、杉、ヒノキ一辺倒ではなく、これらの有用な樹種を植え、新たな人工林として育てて行くことも必要ではないでしょうか?

 ところで、今回の参加者の足元に注目してください。皆さん、登山靴ではなく山仕事で掃き慣れた地下足袋を履いています。登山靴を履いていたのは、私1人。同行した、浜松山里いきいき応援隊・水窪の佐藤隊員は運動靴。

 この2人だけが素人で、後は山仕事のプロ。何だか、少し恥ずかしくなってしまいました。

 *記事は、私が書いていたNPO「天竜川・杣人の会」のブログ「出かけよう!北遠へ ふるさと散歩道」に掲載したもの。同ブログは終了しましたので、過去記事を再掲載させていただきました。

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Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 05:25│Comments(0)出かけよう!北遠へ野の花・植物
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