2020年01月03日
御前崎の「ねずみ塚」を訪ねて③―猫塚
この近くに昔あった遍照院という寺の住職がある朝、海上に一匹の仔猫が船の板の上にすがり荒波に揺られながら沖へと流されているのをふびんに思い、漁師に積んで今にも死にそうな仔猫を拾いあげ寺に連れて帰りました。
それから十年の年月がたった春の日に、一人の旅僧がやってきて宿を所望しました。それから三日後に、隣の猫がきて猫を伊勢参りにさそいましたが、猫は住職の身の上がなんとなく気がかりで断りました。そしてその夜の真夜中に本堂の天井裏あたりでものすごい物音がしました。
一夜明けて村人たちと住職が天井へ上がって調べてみると寺の愛猫と隣の猫が傷を負い近くには見たこともない犬ほどもある衣をまとった古鼠がたおれていました。旅僧に化けて住職を食い殺そうとたくらんでいた古鼠を寺の猫がいち早く見ぬき、隣の猫と力を合わせ、身をもって住職の危機を救ったのでした。寺の猫と隣の猫は、住職たちの手厚い介抱のかいもなくついに死んでしまったので、恩義に報いた二匹の猫を寺のわきに手厚く葬りました。
現在ある猫塚は、この伝説を後世に伝えるために、昭和七年十二月六日に、御前崎の有志が建立されたものです。 御前崎市教育委員会
ここまで来たのですから、「なぶら市場」で昼食。強風の吹き荒れる中、冠雪を頂いた富士山を撮影し、帰宅しました。