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2018年12月07日

「七人の猟師」の言い伝え①―『たつやま昔話』6

「七人の猟師」の石碑 昔、瀬尻の山や、その西の白倉の山にかけて、大男が住んでいたといいます。その大男は、せいの高さは五メートル、山から山を、風のように走りまわったといいます。村の人たちは、この大男を見ると、
「そら出た。」
と、家の中に、にげこんだものです。
 また、夜など人の先に立って、道案内のように歩くことがありました。人が急げば速くなり、ゆっくり歩けばおそくなり、とつぜんふっと消えてしまうこともありました。

 ある時、白倉の村の猟師七人が七ひきの白い犬を連れ、白倉から熊(今の天竜市熊)へ通ずる南沢へ猟に行きました。この山は、谷深く昼なお暗い、なんでも七十五もの谷があるところです。ところが、この七人は、いく日たっても一人も帰ってきません。
「どうしたのだろう。」
家の人たちや村の人たちは、心配で心配でたまりません。しかし、深い山の中で、さがしに行くことはできません。
「きっと、山の大男に、どこかに連れて行かれたのだろう。」
と言って、三年目におとむらい(そうしき)をしてやったということです。

 それで、その後は、七人が山へ行った日になると山のどこかで、犬のなき声と、鉄ぽうの音が、かすかに聞こえるともいいます。

 このことがあってから村の人たちは、七人で山へ入ることは、ぜったいにしないということです。
 今でも七人の猟師を山の神としてまつり、石碑も建てられています。(『たつやま昔話』より)

    ◆       ◆       ◆       ◆

 写真が「七人の猟師」の石碑です。

 石碑が立っているのは、初めての人では見つけにくい場所。たまたま知り合った地元の人が「独りじゃあ分からんよ。隣りに乗せてくれりゃあ、教えてやるに」とのことで、確認することができました。



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Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 05:02│Comments(0)歴史・産業遺産・寺社・文化財民話・言い伝え
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