2018年08月08日
相月諏訪神社を訪ねる③―佐久間の民話「相月諏訪神社の不思議」

この諏訪神社の裏は、淵になっているところから、蛇淵と言われ、大蛇が住んでいると言われていました。蛇淵からは、蛇道と言われる穴が信州諏訪湖まで続いていると言われていました。
ある年のことです。その年は大変な日照り続きになりました。相月の人たちは、困った末に、諏訪様に雨ごいのお祈りをするしかないということになり、村の人たちは諏訪様にお祈りした結果、蛇淵の草を刈るようにというお告げがありました。
さっそく、村人たちが草を刈ると、今まで晴れわたっていた大空の一点に小さな白い雲が現れたかと思うと、見る間にまっ黒な雲となって空いっぱいに広がっていき、滝のような大雨がものすごい音をたてて降り出しました。
村の人たちは、大喜びで、諏訪様のおかげだと神様にお礼を言いました。
それ以来、雨がふらなくて困ったときには、草刈りをすると雨が降ったと言われています。諏訪様の話で、もうひとつ不思議な話があります。蛇道をふさいでしまったことから、大変困ったというお話です。
ある時、この近くで工事をしていた人が、コンクリートで、蛇道とは知らず、その穴をふさいでしまいました。すると、数日後、工事をしていた人が、わけのわからない病気にかかってしまいました。病院でみてもらいましたが、いっこうになおりません。ねぎ様におがんでもらいましたら、「蛇道をふさいだたたり」ということでした。さっそく、蛇道を元の通りに開けると、病気はすぐになおったと言うことです。(「浜松だいすきネット」より)
◆ ◆ ◆ ◆
写真は「相月諏訪神社のスギ」。スッと真っ直ぐに伸び、あまり大き過ぎて、ただ見上げるしかありません。「相月諏訪神社のスギ」は平成14年(2002)、旧佐久間町天然記念物に指定されました。
長野県の諏訪大社より勧進を受けた諏訪神社は、天竜川沿いには数多く点在し、諏訪湖に通じているという話もよく聞きます。諏訪信仰は、「御柱祭」でも有名なように、巨木、巨樹への信仰があり、古代アミニズム信仰の原型をとどめていると言われています。相月諏訪神社のスギも、そんな信仰の現れでしょうか?