2018年01月18日

掛川の町歩き⑤―報徳社大講堂の瓦

 大日本報徳社の建物群を見上げれば、気になる瓦が見られます。

 まずは、仰徳(こうとく)学寮の鬼瓦。報徳運動の祖、二宮尊徳の1字「尊」が浮き上がる意匠です。そして、大講堂の軒瓦には「農」の字。農村復興を訴えた報徳社らしい文字の選択です。

仰徳学寮の鬼瓦
仰徳学寮の鬼瓦
大講堂の軒瓦
大講堂の軒瓦

 そして、大講堂の大屋根に掲げられた鬼瓦には、横の線が6本重なる意匠が見られます。さて、これは、何でしょう?

大講堂の鬼瓦
大講堂の鬼瓦
大講堂の鬼瓦
大講堂の鬼瓦

 よく似た鬼瓦には「水」の角字があります。しかし、この意匠を角字に当てはめてみても、適当な文字が浮かびません。もしかしら、これは「八卦」と呼ばれる記号の組み合わせかも知れません。

大講堂の蟇股 そう思ってみると、鬼瓦の図案は、場所によって違います。さらに、玄関上の蛙股に刻まれた、向かい合う龍の中の図案も陰陽の組み合わせが違います。

 それぞれを「八卦」当てはめると玄関上の鬼瓦は、下から上に「風+地」、蛙股は「天+雷」、大屋根の鬼瓦は「火+天」。農業とは切り離せない自然を崇拝してのことか?あるいは、自然災害から建物を守るためのまじないか?

 報徳社運動を説いた、地元の岡田佐平治や岡田良一郎(淡山翁)が、「八卦」や「風水」と関わったのかどうかについては知りませんが、興味が湧く瓦です。



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