2017年10月12日
鎌田山醫王寺を訪ねる④―牡丹を咥えた見返り獅子
醫王寺山門の木鼻も立川流が得意とする見返り獅子。ただし、獅子が牡丹の花を咥えた意匠は、立川流の木鼻としては見たことがありません。
「獅子に牡丹」とは、取り合わせの良いものの代表とされ、百獣の王の獅子の勇姿に花の王である牡丹を配した図柄を見る機会はかなりあります。
『梵網経』というお経の中に「獅子身中の虫、自ら獅子の肉を食う」という例えがあります。仏弟子のなかにも、この虫のような者がいて、仏教徒の顔をしながら、実は仏法を破っていると、警告しているのですが、味方のような顔をしながら内部から禍を発生させる者、恩を仇で返す者、裏切り者に注意をするように戒めた諺です。
その「獅子身中の虫」を活動させないためには、獅子は薬になるものを飲まなくてはいけないのですが、その薬となるのが牡丹の花に溜まる夜露。それゆえ、獅子は牡丹の花から離れられない、というのが「獅子に牡丹」の取り合わせだそうです。
「獅子に牡丹」とは、取り合わせの良いものの代表とされ、百獣の王の獅子の勇姿に花の王である牡丹を配した図柄を見る機会はかなりあります。
『梵網経』というお経の中に「獅子身中の虫、自ら獅子の肉を食う」という例えがあります。仏弟子のなかにも、この虫のような者がいて、仏教徒の顔をしながら、実は仏法を破っていると、警告しているのですが、味方のような顔をしながら内部から禍を発生させる者、恩を仇で返す者、裏切り者に注意をするように戒めた諺です。
山門の前後左右に4体の「牡丹を咥えた見返り獅子」。薬師如来(医王)を本尊とする医王寺ならではの意匠です。獏型の木鼻にも牡丹の透かし彫りが施されていました。