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2017年06月12日

天竜川の水に感謝②―神増分水工

神増分水工 磐田市神増(かんぞ)は、旧豊岡村。全国の「かぞ」「かんぞ」などの地名の共通点は、河川の水を利用した疎水・用水により農業を営んだ土地とのことで、「神増」にも天竜川の水を左岸地区に引く農業水利事業の寺谷幹線と社山幹線との「分水工」と呼ばれる施設があります。

 この水の元を辿れば、天竜川にある船明ダムに辿り着きます。船明ダムで取水された水が、地下に埋設された導水路を通って神増分水工まで導かれ、寺谷用水と磐田用水に分岐します。

寺谷用水 11.958立方m/秒
   農業用水・・・9.546立方m/秒
   上工水・・・2.412立方m/秒
磐田用水 11.891立方m/秒


神増分水工 「上工水」とは、私たちの飲み水になる水道水用「上水道」と「工業用水」を併せた用語。「農業用水」は田や畑での農業生産に利用される水。数字の大きさを比べてみれば、「上工水」と比べ、田畑の灌漑に利用される水がいかに多いかが分かります。

 かつて磐田地区の暮らしでは、食生活を支える水は、それぞれの地域に自然に湧き出る泉や天竜川のわずかな支流水を使うしかありませんでした。しかし、戦国時代の平野三郎右衛門重定らによる大規模な土木工事により本流の水を利用できるようになり、農業生産量は格段に増加、現在に至っています。

 私たちが平和に暮らせるのは、天竜川の恵みのおかげ。磐田用水がなければ、おそらく「豊岡」や「豊田」の地名もなく、辺りは「岩田」のままだったはず。先人の業績と天竜川の水に感謝することを忘れないようにしましょう!




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Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 05:25│Comments(0)歴史・産業遺産・寺社・文化財
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