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2019年07月29日

穴の開いた石を供える信仰①―足神?耳神?石神?

穴の開いた石 浜松市天竜区春野町の犬居橋を渡ったところに建つ足神様。地元では「弁天さん」と伝えられているようですが、靴や草履が供えてあるところを見ると、どうやら足神様のようです。

 その足神様で奇妙なものを見つけました。それは、穴の開いた石に針金を通したものです。さて、これは何でしょう?

穴の開いた石 大きさはさほど大きくはないのですが、自然に開いたようでもあり、人工的に開けた穴のようでもあり・・・。その形状から考えれば、耳の病の治癒を願って、あるいは治癒のお礼に供えたものかも知れません。

 しかし、この穴の開いた石を石神様に供える風習もあるようです。「石神(いしがみ=しゃくじん)」と言えば「御左口神」「御社宮神」「御社宮司」「三社口神」「社宮司(シャグジ)」「社御司(シャゴジ)」などとも呼ばれる諏訪神社ゆかりの農業神。あるいは、安産・良縁・治療・子育てなどに霊験があるとも言われている地域もあります。そのほかに、百日咳の神、疣取り神とする地方も多いそうです。

穴の開いた石 ・・・となると、この祠は、単なる「弁財天」や「足神様」ではなかったのでしょうか?石に神霊が宿ると解釈する石に対する信仰の形―丸石信仰に似た素朴な信仰の形態が、ここ気田川の畔に残されているのかも知れません。




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Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 05:24│Comments(0)歴史・産業遺産・寺社・文化財
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