› 自然と歴史の中を歩く! › 季節の便り › 瀬戸内寂聴さんが「平和の俳句」に詠んだ「冬すみれ」

2017年12月24日

瀬戸内寂聴さんが「平和の俳句」に詠んだ「冬すみれ」

◆「冬すみれ排除の文字は読めませぬ」 瀬戸内寂聴さん「平和の俳句」 政治の風潮、戦前の感覚

冬すみれ 作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(95)が、本紙朝刊一面で掲載の「平和の俳句」に自作を寄せた。選者を務める俳人黒田杏子(ももこ)さん(79)との親交が縁。京都の寂庵(じゃくあん)で、句に込める思いを聞いた。

 <冬すみれ排除の文字は読めませぬ>

 題材は、今年10月の総選挙を巡る小池百合子・東京都知事の発言。当時、希望の党の代表として、公認希望者の一部を「排除いたします」と断言したことを踏まえ、今の政治と社会のあり方を問いかける。

 草花や樹木を好み、季語の「冬すみれ」を「いなかに暮らすおばあちゃんみたいな花」という寂聴さん。その姿に、普通の国民を重ねた。「排除なんて言葉を使う政治は国民には読めません。伝わりません」

 小池発言に限らず、立場や考えの違う人を敵視し、排除したがる風潮を懸念する。「アメリカが第一、日本が第一。私が子どものころも、そういう考え方がはやってたの。今は昭和17、18年ごろの、軍靴が暮らしのすぐそこまで迫った時と似た感覚です」

 俳句を始めたのは半世紀も前。小説に打ち込むためしばらく離れていたが、3年前に入院した折「病床での楽しみに」と再開。今年5月には、初の句集「ひとり」(深夜叢書社)を出した。90歳を過ぎてなお「前衛的な俳句を詠めるようになりたい」と取り組む。

 黒田さんは東京女子大の同窓生。寂庵で一緒に句会を開いていた。9月から選に当たる「平和の俳句」の話を聞き、投句を勧められた。「戦争を知ってる人はもう一握りで、その俳句は貴重です。皆さん、これが最後と思って作ったはず」と語り、自身の戦争体験を「五・七・五」に昇華させた投句者に思いを巡らす。

 「ひとり」にも、戦争と平和を詠んだ句を収めた。

 <戦火やみ雛(ひひな)の顔の白さかな>
 <反戦の怒濤(どとう)のうねり梅開く>

 戦時中は飾って楽しむこともできなかったひな人形を新調した時、反戦デモの勢いを見た時-。「『平和の俳句』って、詠み手の中から自然に湧き上がるものじゃないでしょうか」(「中日新聞」より)


 昨日(12月23日)、東海道岡部宿の道路脇で見つけた「冬すみれ」。この写真をブログに投稿しようとしていたら、中日新聞の1面に瀬戸内寂聴さんの記事が掲載されていました。偶然にしては出来過ぎ。何か「運命」的なものを感じてしまいました。


同じカテゴリー(季節の便り)の記事

Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 05:55│Comments(0)季節の便り
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
瀬戸内寂聴さんが「平和の俳句」に詠んだ「冬すみれ」
    コメント(0)