2017年06月24日
「南米移民渡航記念 昭和八年八月三十日上陸」―旧「船明小学校」校門

「南米移民渡航記念 昭和八年八月三十日上陸」。
「移民」と言えば他国の話。私たちの国は、その移民を受け入れる側というのが昨今の常識ですが、実は日本人の「移民」の歴史は室町時代に始まり、鎖国によって一旦途絶えますが、明治の開国により再び過剰な労働力は仕事を求めて海を渡って行ったのでした。

次々と入植する日本人は南米発展の担い手として活躍するのですが、その数の多さに恐れを感じたブラジル政府が「2分制限法」(受入人数を、それまで定着した移民数の2%に制限)を実施し、日本人の入国は年間2800人に制限されるようになったのが、まさに昭和8年(1933)。船明にゆかりの人が南米に渡った、その年のことです。
今では、南米に渡った「日系人」が仕事を求め再び日本に舞い戻って来ています。私の家のお向かいさんも、そんな家族。さらに、景気の悪化が彼らの職を奪い、やむなくもう一度地球の裏側に渡る人も少なくありません。その「移民」の長い歴史の1ページを、ここ旧船明小学校跡の校門で見ることができます。