2017年03月20日
感謝と惜別 天竜区の城西、鏡山両小学校で閉校式

児童数の減少により、新年度から近隣の小学校に統合される浜松市天竜区の城西(しろにし)小(同区佐久間町)と、鏡山小(同区只来(ただらい))の閉校式が19日、両校で開かれた。城西、鏡山幼稚園も本年度で閉園となり各式に参加した。児童や卒業生、住民らは地域のシンボルだった愛着ある学びやに感謝を込め、別れを惜しんだ。
141年の歴史を誇り佐久間小(同区佐久間町)と統合する城西小。1946(昭和21)年には最多の609人が在籍した。式典では児童や住民ら350人が出席。あいさつで守下武志校長が「地域文化の核がなくなるつらさは言葉で表せない」と声をつまらせ、会場からすすり泣きが漏れた。「佐久間小に通っても皆さんは城西っ子。活躍を願います」と児童にエールを送った。

本年度の児童数12人の鏡山小は、143年の歴史に幕を閉じ、光明(こうみょう)小(同区山東)に統合される。1967(昭和42)年には最多で172の児童を数えた。約300人が出席した式で、野田昌宏校長は住民に感謝を伝え「鏡山で積み上げた思い出は、鏡石のごとく輝き続けるでしょう」と述べた。
最後の卒業生の大石莉子さん、桜田瑞姫さん、中谷綸杜君は地域の川で泳いだり茶摘みや陶芸を体験したりした思い出を振り返り「僕たちの母校で心の古里、本当にありがとう」と声を合わせた。
式後に皆で校歌を歌い、涙ぐむお年寄り女性も。卒業生でPTA会長の大石泰史さん(47)は「小さい学校だから、みんな兄弟姉妹のようだった。時代の流れで寂しいが、この学校の良さが光明小にも引き継がれてほしい」と話した。出席者は最後に中庭に集まり「ありがとう」の声で記念の風船を飛ばした。(「中日新聞」より)
こうして、また2校が歴史の幕を閉じることになりました。広域に統合されることにより、小学校と地域とのつながりが希薄になって行くことが心配です。