2018年03月09日
横川から光明山に登る⑩―徳川家康お目たで池

ここ、「お目たでの池」のある所は、昔、秋葉街道と言って、秋葉山へお参りしたり、光明山へお参りに行く大切な道路でした。道行く人たちは、此処でいっぷくして、喉を潤したそうです。
時は戦国時代、三方が原合戦で、徳川家康と武田信玄が戦った時、徳川家康が目を患い、えらい目に遭いました。家康は、ある晩、「光明山の中腹の所に池があるから、其の所の水を汲んで来て、目をたでよ」と、夢枕にて告げられました。早速、家来に水を汲んで来させ、目をたでたところ、だんだんと良くなって、治ったとのことです。
それ以来、「お目たで池」と呼ぶようになったそうです。
いまでも、どんなに日照りが続き雨が降らなくても、水が涸れたことはありません。

横川を流れる横川の支流に沿って林道を少しだけ遡ると、頼りない鉄の橋が現れます。この橋を打音検査してから渡ると細い登り坂。訪ねるのは「池」ですから、山道を上に登ったらきっとまた下るのだろうと思ったのですが、山道を塞ぐように伸びる木の根を跨ぐとすぐに、緑色のネットが見えて来ました。

「たでる」とは「湿布する」というような意味ですので、この水を目薬みたいに直接目に点けたりしないでください。
