2017年05月29日
広がる「ジビエ」活用 天竜区の料理店でも反響

同区横川の喫茶店「クライネスカフェ」。ジビエが定着するスイス、ドイツで長年暮らした店長の戸村由香さん(51)は「都市部の客に響く料理を」と、4月からランチでジビエ料理を始めた。欧州のレシピを応用し、イノシシ肉とひよこ豆を使ったトマト煮込み、シカ肉のキーマカレーなどを出す。客にはジビエの背景を説明し、家庭で調理できるようにレシピも渡す。「ジビエを入り口に、環境や食を考える機会になれば」との思いからだ。
ジビエはフランス語で狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉を意味する。日本ジビエ振興協会によると、野生の動物の肉は引き締まり、低脂肪、高タンパクが特徴。ただ、流通には捕獲後の素早い解体、処理が欠かせない。これまで捕獲しても大半が捨てられたり、猟師が自分で消費したりしていた。
昨年9月、同区春野町に市内初の大規模ジビエ解体加工施設「ジミート」が開所。地元のNPO法人が運営し、初年1キロ1500~5000円ほどだ。
ジビエが消費者に受け入れられてきたと実感するのは、11年前から地元産ジビエを提供する同区船明のフランス料理店「船明荘」の料理長大橋正諭(まさつぐ)さん(43)。最初は勧めても敬遠する客もいたが、「メディアなどの情報で興味を持つ人が増え、この1、2年でぐっと伸びた」という。

母親とメニューを味わった神戸市の会社員杉山あゆみさん(33)=浜松市南区出身=は「臭みがなくて食べやすい。抵抗感がなくなった」。店ではいま、6割以上の客がジビエを選ぶ。大橋さんは「小規模でも解体施設が増え、流通が良くなれば、まだ伸びる」と期待する。
天竜区二俣町の料理店「竹染」では店主の片桐邦雄さん(65)が捕獲したイノシシなどを提供し、ネット通販でも肉を売り出す。シカ肉のジャーキー、イノシシ肉の角煮などの加工品も地元の道の駅で販売している。
ジビエの提供店は市内全体でも増えているが、消費促進には安定供給が欠かせない。交付金でジミート開設を支援した市の担当者は、猟師の高齢化や減少を課題に挙げる。「若い世代にわなの技術を継承し、春野での取り組みを他地域にも広げていきたい」と話す。
◆深刻な農産物被害 15年度、県内4億9000万円
県内で野生鳥獣による農産物などの被害は2015年度で約4億9000万円。シカの被害額が13年度から3年連続で増え、15年度に初めてイノシシを上回った。浜松市では4400万円で、イノシシが2100万円と半分近い。県内のジビエ解体加工施設は消費が盛んな伊豆市のほかに、静岡、浜松市などに大小13カ所ある。
ジビエの消費促進に向けては政府が5月、研修で処理加工に携わる人材の育成を支援したり、情報発信のためジビエ料理を扱う全国のレストランマップを作製したりする方針を示した。(「中日新聞」より)
こんな記事が「中日新聞」に掲載されていました。ハンターだった祖父が捕って来て、子どもの頃に食べたことがあるのは、イノシシやウサギ、キジやカモなど。
水窪ではシカの生肉をいただいたことがありますが、その美味しさにビックリしたのを覚えています。
Posted by AKG(秋葉観光ガイド)の斉藤さん at 06:06│Comments(0)
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