2019年10月08日
舘山寺の舘山(たてやま)を歩く⑬―稚児岩とはなれ岩

昔、浜松市(西区)舘山寺町に堀江城があった頃の事。敵にお城をすっかり包囲された殿様と奥方は、やっとの思いで対岸の岩にたどり着き、そこどいさぎよく自害してしまいました。
あくる朝、敵兵がその岩に近づいて見ると、亡くなった奥方に抱かれて、生まれたばかりの赤子がすやすやと眠っていました。
さすがの敵兵も、目に涙を浮かべ、その子を育てることにしました。それから、誰言うとなく、その岩を稚児が岩と呼ぶようになりました。「遠江国説話集15」より