
金谷坂石畳を登り切れば、旧東海道は国指定史跡、諏訪原(すわはら)城跡に出ます。
諏訪原城とは、天正元年(1573)武田勝頼が遠州侵攻の拠点として築いた山城。茶園が広がる牧之原台地の東端に位置し、城内に諏訪神社を祀ったことから「諏訪原城」「諏訪の原城」と呼ばれたようです。

山城とは言え、その規模は大きく、巨大な堀や土塁が幾重にも設けられ、武田流築城術の典型と言われています。

しかし、天正3年(1575)5月の「長篠の戦い」により、武田勝頼は織田・徳川連合軍に敗れ、同年8月には諏訪原城へ徳川家康が入城し、その名も「牧野城」「牧野之城」「牧野原城」などへと改名され、城には改修が加えられました。
その後、徳川家康が江戸に移封された天正18年(1590)頃には廃城になったと考えられています。

この年(2015)は徳川家康没後400年。諏訪原城跡にも、歴史マニアらしい人たちが多く訪れていました。新茶が香るこの季節、諏訪原城跡を訪ねて牧之原の旧東海道を歩いてみるのも良いかも知れません。