2018年08月31日
建築家・中村與資平が設計した建物①―旧遠州銀行本店
西洋建築に学んだ中村與資平が設計した建築物の多くは解体・撤去されてしまいましたが、その一部は今も残っています。浜松、静岡、豊橋に中村與資平が設計した建物を訪ねてみました。
地上3階地下1階建てのこの建物は、昭和3年(1928)年の建築。当時最新であった鉄骨鉄筋コンクリート造が採用されたのは、大正12年(1923)に発生した関東大震災の教訓から。県下初の本格的な鉄骨鉄筋コンクリート造の建物でした。
花崗岩張りの外壁に、ギリシャ神殿風の外観。3階まで伸びている4本の円柱の柱頭には渦巻き模様の飾りが施され、古代ギリシアの神殿建築を模したイオニア式とのこと。

昭和20年(1945)6月18日の浜松大空襲を経て焼け残った貴重な建物は、平成17年(2005)には浜松市の文化財に指定されました。