2018年02月07日
龍川森林軌道について④―国鉄バス開通

「天竜市史」によれば、龍川森林軌道の工事が始まったのは大正9年(1920)。第1期に、相津―佐久間約2キロ、10年後に水舟山林までの約2キロを延長し、その後一軒屋から東谷へ約1キロ延進したと記され、トロリー(台車)に木材を積み、人力によって動かす人車鉄道で、約4キロの区間を1日2往復したとあります。
龍川森林軌道が廃止されたのは、林道佐久線が完成した昭和30年(1955)頃とのこと。国鉄バス佐久線が開通したのは、同時期だったのでしょう。
収益が見込めない路線の運営は民間では難しく、鉄道省による省営自動車を経て、昭和24年(1949)からは国鉄自動車(国鉄バス)が走るようになりました。国鉄バス佐久線もそんな路線の1つ。
真ん中に「祝」の文字が書かれた「開通」のゲートを通るバス。日の丸の小旗を振る人の波に送られ、相津を出発し、佐久に向かうバス。「国鉄」の「鉄」の字は、「金+失」ではなく「金+矢」の字に書かれています。