2017年08月28日
引佐町的場・鈴木家住宅を訪ねて①―分棟型釜屋建
別棟として建てられた母屋(住居)と釜屋(かまどや物置)はともに茅葺き屋根の寄棟造ですが、2棟の向きは90度角度が違っています。その2棟の屋根を重ね合わせるようにして雨樋を設け、一体的空間として利用できるようにしたこのような建築を「分棟型釜屋建」と呼ぶのだそうです。
現在の建物は修理工事がされ、建築当時の姿に回復されたもの。工事に伴う調査により釜屋の柱ほぞに記された「文政三辛巳年」の文字が見つかったとのことですが、文政3年(1820)の干支は「庚辰」で「辛巳」は翌年。解説看板に「一八二一年に建築」とされているのは、そのためと思われます。