2017年11月18日
二俣・鳥羽山城跡 国史跡に

国の文化審議会は17日、国史跡の新指定と国登録有形文化財(建造物)への新登録を林芳正文部科学相に答申し、静岡県内からは4カ所計11件が入った。
史跡に新たに指定されたのは浜松市天竜区二俣町の二俣城跡と鳥羽山城跡。県内の国指定の史跡は46件となった。
登録有形文化財に新たに登録されたのは、静岡市清水区美濃輪町の次郎長生家と、焼津市浜当目の原田家住宅主屋、浜松市東区有玉南町の高林家住宅主屋・隠居の3カ所計10件。県内の国登録有形文化財は233件となった。
◆要塞と居宅の両輪
二俣城跡と鳥羽山城跡は戦国時代に拠点とした今川、徳川、武田などの大名が領有した。天竜川に沿って500メートルの近距離にあり、堅固な要塞(ようさい)、格調高い居住地とそれぞれ機能が異なるが密接な「別城一郭」だった。ともに中世の土づくりの山城に近世の石垣が導入された姿をよくとどめ、戦国の城郭を今に伝える。
北にある二俣城は徳川家康の長男、信康が自刃した城でもある。堀が多く急な石垣を備え、徳川の領地が関東に移された後、豊臣重臣の堀尾吉晴が石垣の上に天守を築いたとみられる。南の鳥羽山城は、徳川と武田の攻防の際、徳川が陣を築いた。後に堀尾が格式高い居宅を築き、枯れ山水の庭園も造られるなど迎賓館の色合いを強めた。
築城時期は明確でないが、戦国の終わりに廃城した。浜松市文化財課の鈴木一有(かずなお)・埋蔵文化財グループ長は「華々しい戦国の歴史をたどり、そこで歴史が止まったところが面白い」と指摘する。(「中日新聞」より)
春には桜、秋にはカエデの紅葉が楽しめる二俣城址。鳥羽山城址と「別城一郭」の城跡を楽しみにお出かけください!